校長室から

対話するとは

2021年2月13日 14時48分

「話し合うとは聞き合うこと」、「相手が『この人に語りたい』と思う聞き手になる」(阿川佐和子「聞く力」より)

 子どもたちは授業の中でペアやグループで、課題解決に向けて話合いを行います。対話により学習を深めることができたか、課題解決に向かうことができたかなど、教師は常に検証して授業改善に取り組む必要があります。また、子どもたちに対話の力を身に付けさせる必要もあります。
 子どもたちは普段から友達とたくさん話をしています。しかしそれは軽いおしゃべりであることが多いと思います。友達と話し合うことで真に学習を深めるには、自分の考えを相手に理解してもらえるように筋道を立てて話す力、相手が何を伝えようとしているか理解しながら聞く力が育っているかが大切だと考えます。
 「対話」とは、一方的な行為ではなく、双方向の行為です。「話す」側は、「自分の考えをしっかりとまとめ」「順序を考えて、筋道を立てて」「簡潔に」話すことです。「聞く」側は、相手が何を自分に語りかけているのかを心で傾聴し、相手の考えを受けて自分の感想や考えを述べることで生産的な活動が生まれます。「聞く」基本は、「うなずきながら」「相づちを打ちながら」「相手が何を伝えようとしているのか」「自分の考えと同じか違うか」「もっと知りたいことは何か」を考えながら聞くことだと思います。
 私たちの日常においても、自分の話をしっかりと聞いてくれていると実感したとき、安心して心の中を打ち明けることができると感じませんか。また、その人の話もしっかりと聞こうと心を寄せませんか。心をこめて「聞く」という行為は、相手への敬意であり、学びのパートナーとしての人間関係を形成することにつながり、質の高い学びを成立させる重要ポイントであるということになります。
 子どもたちには、「聞く力」「話す力」を身に付け、積極的な対話を通して、友達の考えに触発されて、これまでなかった新たな考えをもったり、自分の考えを修正したり、より深めたりする、深い学びにつなげてほしいと願っています。これは、学級集団としての支持的風土作りにもつながるのは確実です。私たち大人がモデルとなりたいですね。