校長室から

二宮金次郎(尊徳)像の教え

2020年1月22日 11時08分

湯山小学校の運動場南側に、二宮金次郎(尊徳)像があります。

最近は少なくなりましたが、

それでも、松山市立の小学校53校のうち22校には、現在もあるようです。

薪を背負って歩きながら本を読む姿は、

家の手伝いをしながら一生懸命勉強に取り組む姿勢(勤労勤勉)の象徴でもありました。

本校の像は、1967年(昭和42年)に、三好幾次郎氏によって寄贈されたと伝わっています。

この三好幾次郎氏は、俳号を湧川といい、

素鵞神社の石段下には、「神の杜聞きたき蝉と太鼓の音」という句碑も立てられています。

ところで、二宮金次郎さんが読んでいるのは何かご存知でしょうか。

本校の像には文字は刻まれていませんが、

一般的には、『大学』(『中庸』『論語』『孟子』と並ぶ四書の一つ)

「一家仁 一国興仁 一家譲 一国興譲 一人貪戻 一国作乱 其機如此」の部分と言われており、

像によっては、これらの文字が本に刻まれているものもあるようです。

「一人ひとりがいつくしみ思いやる心を持てば、みんながこの心になり、

一人ひとりが驕らぬ謙虚な心を持てば、みんながその心になる。

一人ひとりが身勝手なことをすれば、みんなが混乱し争うことになる。」という意味だそうです。

思いやりや謙虚さの大切さ、身勝手な行為の愚かさ、さらには良い書物を読むことの大切さも、

私たちに教えてくれているのかもしれません。